丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2018年9月号 -第336号-

いま一度・・・

「笑う門には福来る」「笑いは不幸に立ち向かう武器である」「笑いは最良の薬」

人が生きていくうえで「笑い」が欠かせないことを伝える言葉は、古今東西多い。

 旧約聖書にも書かれている「笑いが病を治す効果」は、現代医学でも証明されている。

 大阪国際がんセンターが今年5月に発表した実験結果によると、漫才や落語を鑑賞したガン患者では、鑑賞後、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を拒絶するNK細胞が鑑賞前より1.3倍増えたのに対し、鑑賞しなかった患者では大きな変化が見られなかったという。「笑い」は、人間に不可欠な「活性化エネルギー」の一つでもあるのだ。

 昭和41年の放送開始から52年間続いているお笑い番組「笑点」の視聴率が、日曜日夕刻の放送でも15%余と高いのは、日本のサラリーマンにとって、週明けからの仕事に備える、「活性エネルギー」の無意識な充電作業になっているのかもしれない。

 その五代目司会者を務め、先月81歳で亡くなる直前まで高座に上がり続けていた落語家・桂歌丸さんの言葉を、誰かがツイッタ―に上げている。

 「薄情な人間には、薄情な落語しかできない。人情味のある人だからこそ、人情噺ができる。だから、文字通り“芸は人なり”なんですよ」「とにかく陽気な噺でお客さんを笑わせるのが一番。そういう素直な気持ちになると、不思議にウケるんですよね」「背負った苦労を一度フイルターにかけ、それを陽気な笑い話に変える。それが噺家の仕事ですよ」等々。いちいち「ごもっとも」と納得する。 

 お客に笑いを届けるのが落語家の仕事なら、お客に満足の喜びをもたらすのは商店の仕事だろう。そのために、落語家は舞台に上がるまでに人知れぬ努力と苦労を重ねていると同様、お客と日々接する商人にも、為すべき努力は多いはずだ。

 大げさな話でなくてもよい。ある商店主がテレビで話していたのは、毎朝、店を開ける前に、自分の顔を鏡で見るのを習慣にしていることだ。「不機嫌な顔や何か悩んでいる顔を、従業員やお客様に見せてしまったら、それは必ず接客の態度、ひいてはその日の売上に表れる。鏡を見るのは、そうならない為の習慣です。」

 「笑い」をとる芸も、親しみやすさを与える笑顔の接客も、大切なのは日々の精進。

 夏休み明けは実質的な「下半期」の始まりだ。鏡を覗き込み、さあまた、がんばろう。

レーダーより