丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2019年7月号 -第346号-

省 力 化

 休日、ユニクロの名古屋店を訪れ、商品をレジに運んだところ、店員から「お支払いに現金、クレジットカードをご希望のお客様はセルフレジをご利用ください」と一言。カウンターレジの右方にセルフレジが設置されていた。

 最近、レンタルビデオ店やスーパーでセルフレジを目にする機会が増えた。「列に並ばなくてもいい」「ポイント還元」というメリットがあるとはいえ、自分で商品タグをスキャンしなければならず、これがなかなか面倒で、その利用を避けてきた。ところが、ユニクロのそれは実に簡単なのである。レジ横にある台に「全ての商品・カゴをおいてください」と矢印表示があり、そこにカゴごと置いたところ、瞬時に金額が表示された。「すごい」と心の中で唸ったほどだ。そして、これが今、アパレル店で導入の進む「RFID」と察した。

 RFIDとは、商品タグに埋め込まれたICチップを使い、無線通信でタグのID情報を非接触で読み込むシステムのことだ。これまではバーコードリーダーを使って商品を一つずつ検品し、入出荷の管理をする必要があったが、無線通信でできるから一つずつ検品する必要がなく、アパレルでは、検品や棚卸に関わる大幅な時間短縮が可能となる。

 セルフレジをみるにつけて不届き者による万引きが増えないかと勝手に心配するが、RFIDタグには万引き防止のメリットもある。RFIDタグに書き込まれている商品コードは連番が振ってあり、個別管理になっている。同一商品(色、柄、サイズが同じ)でもそれぞれに番号が振られているため識別が可能だ。商品はセルフレジを通過することで「レジ通過」と認識され、逆にレジを通過しない商品を店外に持ち出すと盗難ブザーが鳴る。

 RFIDタグはバーコードタグよりも単価が随分高かったが、近年、値は下がってきており、導入しやすくなっている。小売業ばかりでなく、問屋やメーカーにおいても商品管理に関わる時間が大いに短縮され、その時間を有効活用できれば生産性向上につながる。ITを有効に活用できた良い例で、まさに「省力化」である。そういうと聞こえはいいが、「ITが人の仕事を奪う」良い例でもある。    

ユニクロのセルフレジは見事であるが、それでも購入した服を自分で畳んで袋に入れなければならないのは少し面倒で、ここは省力化してほしくないというのが本音だ。  

 (レーダーより)