丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2015年2月号 -第292号-

今年の最大課題は中小企業対策

2月の日銀短観をみると、中小企業にとって景気回復感がまだまだ行き渡っていないことが見て取れる。

景気が「良い」と答えた企業から、「悪い」と答えた企業を差し引いた業況判断指数だが、このうち、製造業の大企業が「最近の景況感」はプラス12との回答であるのに対し、同じ製造業の中小企業はプラス1。「今後の先行き予想」はというと、大企業はプラス9であるのに対し、中小企業はマイナス5との回答結果が出ている。

昨年から株価の上昇とともに、大企業が経済を先導しながら大局的には景気上昇がなされつつも、中小企業において期待されるような本格的な上昇はまだまだといったところだ。昨年の中小企業の景気上昇は置き去りにされ、年越し以降になったわけである。今年こそは是非有効な対策が求められる。

為替の面では、円安による輸出増大が期待される一方で、円安による原料高・コスト高が懸念されたが、一転してこのところ投機的な売りを発端とする原油価格下落でコスト面において好材料が出てきた。だが、ギリシャの問題や上海の株式の混乱の影響によるグローバル世界経済の中では、為替・材料価格などの先行きを予想するのはますます困難であり、企業活動はこうした外的な力に対してある程度受け身にならざるを得ない。

しかし今後、リーマンショックのような予期しない世界的規模の不況の波が再び押し寄せた場合に備えるならば、我々中小企業はこれに耐えうる基礎体力を能動的に見に付けておくことが大切だろう。

景気変動の波の中で、ようやく到来するかも知れない好況はまさに経済的体力を付ける貴重なチャンスであり、これから五輪開催に向けいざ好景気を目指さんとする中、中小企業だけが取り残されて景気の恩恵を享受できずにいるということがあってはならない。

昨年の衆議院選で現政権の続投が決まり、長期政権の中、しばらく安定した政権運営が行われるだろう。これらの利点を生かし、腰を据えた経済政策の立案と施行によって、着実に成果が得られることを望む。

今年こそ大企業のみならず中小企業の景気浮場が実現するよう、政策上の重点がいっそう中小企業対策に置かれることを希望する。そして経済回復の実感が日本全国の業種の隅々にまで至ることを願うものである。