丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2015年3月号 -第293号-

真価問われるアベノミクス

「アベノミクス」が正念場を迎えている。周知のように、2012年12月からの第2次安倍政権発足当初から1年間ほどは日銀による金融緩和策による円安・株高が比較的に好感を持って歓迎され、円安=輸出企業の輸出増加や、株高による富裕層消費喚起などで日本経済全体へのトリクルダウン効果が期待された。

しかし、2014年4月から消費税増税以降はその反動と、円安化にもかかわらず、期待されたほどの輸出増加がみられず、GDPは反ってマイナス成長をもたらした。

こうした状況に危機感を覚えた安倍政権・日銀当局は2014年10月末に更なる金融緩和による円安化(1ドル=120円)と株式市場の高値維持を図る一方、同年12月の解散・総選挙に打って出た。

自民党の安倍晋三総裁が第97代首相に選出され、第3次安倍内閣が発足した。「1強多弱」の政治状況におごることなく、国民の期待と負託に応え、政策実行を加速してほしい。与党が圧勝した衆院選後の世論調査で、「アベノミクスで今後景気が良くなると思うか」を尋ねたところ、「思わない」が62.8%で、「思う」は27.3%にとどまった。選挙で示された民意は確かに「アベノミクスの継続」ではあったが、国民の多くはアベノミクスの先行きに悲観的だ。

安倍首相は、国民の期待値の低さを重く受け止め、政権の命運を賭けてアベノミクスを成功に導き、デフレ脱却を実現してほしい。アベノミクスの恩恵が地方にまで広がり、大半の国民が景気回復を実感できるようにならなければ成功とはいえない。

中国やロシアなど新興国経済の減速や歯止めがかからぬ少子高齢化、肥大化する社会保償費など内外に課題は多い。景気回復のハードルは高く、アベノミクスの真価を問われるのはこれからである。安倍政権は今年7月に集団的自衛権の行使を限定容認する新たな政府見解を決定した。通常国会では、法整備に向けて審議が始まる。東アジア情勢の緊迫化に伴い、日米同盟の抑止力強化は喫緊の課題だ。国会で論議を尽くすと同時に、国民の理解を深める努力を続けて欲しい。

安倍政権は「地球儀を俯瞰する外交」で東南アジア、豪州、インド、アフリカなどとの関係強化に努めてきた。領土や歴史認識をめぐって中国や韓国との難しい状況が続き、北朝鮮やロシアとの交渉も難航しているが、能動的で戦略的な安倍外交の方向性は間違ってはいない。腰を据えて外交に専念できる強みを発揮してほしい。