丸セパ 即納 共栄製作所株式会社のホーム > 共栄ニュース > 共栄ニュース 2022年8月号 -第383号-

2日目のカレー

 細菌が原因となる食中毒は、6月から8月までの夏場に多く発生する。細菌は高温多湿の条件が揃うと一気に増殖し、それが体内に入ることによって重大な症状を引き起こすことがあるので、いまの季節は特に注意が必要だ。

 「カレーは一晩寝かせたほうがおいしい」という話も聞くが、夏場はやめた方がいい。“2日目のカレー”が原因となって発生する「ウェルシュ菌」による食中毒の事例が毎年のように報告されているからだ。

 いつものように肉、玉ねぎ、人参などを使って作ったカレー。食べきれず残ってしまった時にどのように保存するか。夏場は食べきれる量を作るのが望ましいが、やむをえず残ったカレーを保存する場合は、小分けにして急速冷却し、冷凍保存するのが良いとされる。しかし、実際はそんな面倒なことはせず、そのまま鍋ごと冷蔵庫で保存している方が多いのではないか。

 ウェルシュ菌は、耐熱性の芽胞を形成するため、通常の加熱調理では死滅しないのが怖いところ。100℃の加熱でも4時間くらいは生きているといわれる。そのためカレーを常温で保存しておくと、どんどん菌が繁殖してしまう。やむをえず冷蔵庫に保存する場合は、まず保冷材の上に鍋を置くなどして素早く冷ますことがカギとなる。十分冷えたのを確認して冷蔵庫に入れる。次の日に食べるときは、よくかき混ぜながらしっかり加熱することだ。それでも酸っぱい臭いがする、白い斑点が現れる(カビが生えている)、糸を引き始めているような場合は完全にアウト。

 そのほか細菌性の食中毒では、鳥の刺身で発生する「カンピロバクター」や生牛レバー食用による「腸管出血性大腸菌」などがある。腸管出血性大腸菌は、牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌の一つで、O157やO111で知られる。毒性が強く、腹痛や水のような下痢、出血性の下痢を引き起こし、乳幼児や高齢者などは重症化して死に至る場合もある。

 厚生労働省によると、食中毒の発生場所は「飲食店」が39.5%で最も多いが、身近な「家庭」も14.8%で2位につけている。水を切っていない食器用スポンジやまな板、ふきん、シンク回りなどは細菌が付着・増殖しやすい。とくに肉や魚を扱った調理器具は台所用殺菌洗剤を使ってこまめに洗うか、熱湯をかけるなどして予防されたい。                  

 <レーダーより>